夜 草 文 集

by Anon.


爆撃で破壊された村の廃墟で、
私はブランコをこいで遊んでい
た。あたり一面に煉瓦やタイルの
瓦礫が堆積し、見慣れた風景は
一変しているが、崩れかけた教会の
尖塔の位置から、かつての村の姿を
かろうじて思い出すことができる。
戦闘はまだ継続しており、
時折カノン砲の轟きが遠雷のように
遠く近く響いてくる。
蛇行する河があり、
大木を刳りぬいて造った一艘の舟が
黒い旗を舳先に翻らせて、
ペラーティ橋をくぐって下ってくる。


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